さあ目を閉じて、
呼吸に意識を向けていきましょう。
呼吸は、 鼻から息を吸い
鼻から息を吐くように心がけてください。
23回 大きな深呼吸をしてください。
深呼吸が終わったら、
少しずつ、
普段のペースの呼吸に戻していきましょう。
そして、
呼吸に気付き続けましょう。
吐く息に気づき、
吸う息に気づいていきます。
親しい人の悲劇的な死に直面し、
ショックを受けていた心も、
朝を迎える度に
少しずつ和らいでくるでしょう。
だけど、きっと、
まだまだそれが現実だと
実感するのは難しいはずです。
ことあるごとに、
その人との過去の出来事を思い出したり、
これから、その人を失って
生きていかなければいけない
その人の家族のことを思ったり、
そんなことが 様々に頭に浮かぶはずです。
あるいは、
その出来事が 悲劇的であればあるほど、
自分が直接見たわけでもないのに、
その悲劇的な出来事の現場が
頭の中に思い浮かんでしまい、
つらく苦しい思いをするということもあるでしょう。
悲しみに浸るのは悪いことではありません。
もし、 過呼吸を起こしたり、
精神的に落ち込んで、
生活に支障が出るということがないのであれば、
この「死」という悲しみを避ける必要はありません。
この悲しみは、
あなたの周りにあるものの、
あなたの周りにいるものの、
大切さを 再確認させてくれます。
失うものの 悲しみに触れるからこそ、
今あるものの大切さに気づくことができます。
「死」は この世の恩恵であるということを忘れないでください。
ですが、死の形によっては、
悲しみ以外の様々な感情が入り乱れることがあります。
早すぎる死であったり、
不運による死であったり、
自らの手による死であったり
誰かの悪意による死であったり、
死の形によっては、
より一層大切な人の死を受け入れるのが難しくなるでしょう。
しかし、
ここで一つ知っておいてください。
どんな死の形であれ、
本人は今はもう、
苦しんでいないということです。
また、 本人はもう、
この世界で生きる
不安や 心配や、悲しみといった苦しみを
全て乗り超えました。
だからあなたは、
その人の苦しみを心配することなく、
ただ安らかに眠ることを祈り、
もし、次の生があるのだとしたら、
また次の世での再会を願い、
その人の存在が、
その人が出会った全ての人に 恩恵をもたらし、
みんなが、 その人の死に触れて、
自分の大切なものたちを 再確認し、
愛し、ひいては、生きとし生けるものに
慈しみの心を持って接するようになり、
この世界がより良くなるようにと
祈りを捧げてください。
そして、気づいてください。
そうして、
前世での死を経て、
今世で再会したのが、
今、あなたの親しい人たちかもしれません。
生まれ変わりを信じるかどうか、
それはどちらでも構いません。
ただ、大切な人が亡くなった時、
いつかまた会えると再会を信じのか、
信じないのか、
今、隣にいる人たちを
前世で出会った大切な人達だったのだと思って
より一層大切にしようと思うか、
思わないのか、
ただそれだけのことです。
そしてそれが、
死から学ぶということです。
理解するのに急ぐ必要はありません。
ただ、 やがて悲しみが癒えたとき、
あなたがその死から何を学び、
その死を無駄にしなかったと言えるのか、
そのことを振り返ってみてください。
今あなたにできることは「祈る」ことです。
祈りの力を侮らないでください。
その人の生前の存在が、
みんなに大きな恩恵をもたらし、
いつまでもみんなの心の中で生き続けてくれるようにと
祈り、その人の死が、
優しい世界への種となるように、
祈りを捧げてください。
祈りは、
肉体を超えて本人に届きます。
あなたの祈りは、
肉体を超えて魂だけの存在となった
その方の力となり、
魂だけの存在となってからも、
その方は自分の大切な人を
大切な家族を守るために力を発揮することでしょう。
さあ、 体に力をみなぎらせてください。
生き残っている 私たちは、
いつかまた、亡くなった人と再会するときのために
この世界をもっとより良いものにする必要があります。
大きな深呼吸をして、
心を落ち着かせたら、
ゆっくりと目を開けて
現実に戻り、
自分の身近な人たちに
いつもより少し
優しくしていくところから始めましょう。
※書き起こしのため、誤字脱字はご了承ください
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