さあ目を閉じて、
呼吸に意識を向けていきましょう
23回 大きな深呼吸をしてください。
深呼吸が終わったら、
少しずつ、
通常のペースの呼吸に戻していきましょう。
息は鼻から吸い、
鼻から吐くように心がけてください。
そして、自分の呼吸に気づいてください。
自分が息を吸うとき、
今自分は息を吸っていると気づき、
自分が息を吐く時、
自分は今 息を吐いてると気づきます。
呼吸に気づき続けましょう。
たとえあなたの呼吸がどのようなものであれ、
いつもの呼吸であれ、
興奮気味な 荒い呼吸であれ、
短い呼吸であれ、
長い呼吸であれ、
何であっても構いません。
今の自分の呼吸を観察し、
ただ そのようなものだと
受け入れ、 見続けてください。
あなたは今、
親しい人の 悲劇的な死に直面し、
心がとても動揺しています。
その心の中には、
様々な思いが渦巻いているでしょう。
亡くなった本人の苦しみ、
残された家族の苦しみ、
残された者たちが、
大切な人を亡くし、
これからどのような人生を送っていくのかと
思う時の苦しみ。
また、 自分自身がもう
その人に会うことができないという苦しみ、
心の中には、
様々な苦しみ、
悲しみが渦巻いていることでしょう。
呼吸から意識を離さないように
気をつけてください。
吸う息に気づき
吐く息に気づきます。
呼吸に気づきながら、
目を閉じたまま
話を聞き続けてください。
これまで死というものはどこか遠くの未来の話だと思っていたのに、
急にそれがやってきて、
この平穏な生活を打ち壊そうとします。
特にそれが、
受け入れがたい 悲劇的な出来事によって
訪れた死だとしたら
より一層、衝撃は大きなものとなります。
その悲劇によって、
あなたは目の前にある全てのものが、
暗いものに見えるようになるでしょう。
今は、 その動揺を否定する必要はありません。
そのショックを乗り越えようとする必要もありません。
今はただ、
「その現実が起きた」ということを
受け入れる時間です。
心の動揺と苦しみは、
時が来れば やがて、
海の 潮が引くように、
遠のいていく日がやってきます。
物事に思いを馳せるのは、
今ではありません。
その人と会えない 悲しみを感じたり、
その人との過去を思い返したり、
あるいは、
その人の家族が、
これからどのような人生を送るのかと
心配するのは、
今ではありません。
今すべきなのは、
「 人生には どのような運命も起こり得る」ということを
自分に言い聞かせることです。
呼吸に意識を向けて、
心のコントロールを失わず、
この悲劇 の衝撃に耐え、
穏やかな呼吸を保つことです。
そして、
あなたが今してあげられる、
一番のことは何かを 冷静に考えてください。
誰か必要な人に連絡をしたり、
なにかしてあげられることはありませんか。
その悲劇の報に接した
全ての人が、
あなたと同じように、
衝撃を受け、 動揺し、
苦しむことでしょう。
しかしここで、
あなたが 平静さを失わず
今できることを考えれば、
例えなにもできることがなかったとしても、
この悲劇の出来事に対して、
生涯、あなたが後悔することはないでしょう。
冷静に、
今あなたができることを考え、
してあげられることがあれば してあげて、
何もないのだとしたら、
何もできることはないと 確認をすれば、
あとは、
この悲劇的な運命の衝撃が 過ぎ去るのを耐えるだけです。
過去を思い返すことも、
未来を思い煩うことも、
今はまだ すべきではありません。
冷静に時を待ち、
時が来たらまた、
その時に必要なこと 考えていきましょう。
さあ 呼吸に意識を向けて、
呼吸が浅くならないように気をつけてください。
呼吸を穏やかに保てば、
心もまた、 穏やかさを取り戻していきます。
さあ、 体全体に力を みなぎらせて、
呼吸に気づきながらゆっくりと目を開けていき、
目の前にあるあなたの
幸せな日常生活を見てください。
悲劇の運命は、
あなたに残されているものの
大切さを より一層 気づかせてくれるでしょう。
呼吸に気づきながら、
日常生活に戻ってください。
心の動揺に耐えられない時は、
呼吸に意識を向けて、
普段よりも少し長い
穏やかな 呼吸を観察し続けてください。
※書き起こしのため、誤字脱字はご了承ください
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