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第12回目「刺激と反応の間のスペース」テキスト
心と体の苦しみを取り除く瞑想8週間プログラム、第12回目。今回のテーマは「刺激と反応の間のスペース」です。
瞑想の準備はできていますか。もし、ここまであまり姿勢にはこだわらずに瞑想を続けてきた人は、これから少しずつ、瞑想の正しい姿勢にもチャレンジしていってください。
環境的に姿勢が制約される方は、姿勢にこだわる必要はありませんが、こう覚えておいてください。「姿勢はどんなものでも大丈夫だけど、正しい姿勢の方がより良い」と。
さあ、瞑想の姿勢が整ったら、呼吸を整えていきましょう。呼吸は鼻から吐き、鼻から吸います。
意識を向ける時と、意識を向けない時の心の感覚の差に気づいてください。吐く息に気づきながら、心の感覚に気づき続けます。
今の心の感覚は穏やかでしょうか。あるいは、不安や心配に満ちているでしょうか。それは、瞑想を始める前と、瞑想が始まった今とでは、違いがあるでしょうか。
今、この瞬間と、この瞑想を終えた後の感覚とで違いはあるでしょうか。気づき続けてください。
呼吸に気づきながら、忘れずに顔全体の筋肉から力を抜いていきましょう。
瞑想の座についたら、姿勢を整え、呼吸を整え、五感に意識を向けながら心を整える中で、顔の部位一つ一つから丁寧に力を抜いていくことを忘れないようにしてください。
完全な脱力状態でありながら、必要な箇所にだけ力を保つようにしてください。領域に気づき、吐く息に気づいていきましょう。ご自分のペースで続けてください。
今回のテーマの「刺激と反応の間のスペース」ですが、これはナチス・ドイツの強制収容所に収監された、ホロコーストからの生還者ヴィクトール・フランクルの言葉です。
この人は、世界的に有名な『夜と霧』という本の著者です。彼は強制収容所に入れられ、自分の自由な選択は全て奪われます。それだけではありません。ここでは話せないほど、想像を超えるあらゆる肉体的・精神的苦痛を与えられます。
極限状態の中で彼が最後に気づいたのは、自分には何の選択肢も自由も権利も与えられていない中で、それでもその出来事に対して「自分自身の態度を選ぶことはできる」ということでした。
たとえどんな出来事に直面しても、自分に何も与えられるものがなかったとしても、いいえ、どころか、想像も及ばない苦痛を与えられることになったとしても、それでも自分がどのように反応するかを選ぶことができるのです。
そして彼は、死と直面するそんな状況の中、看守よりも自由に、そして幸せになります。はたから見たら、彼は到底、幸せになんて見えないでしょう。
しかし、覚えておいてください。幸せというのは出来事ではありません。心の状態のことです。そして、この心の状態は、あなたが刺激に対してどのような態度をとるかで決まります。
そのことに気づけば、ヴィクトール・フランクルが囚人でありながら看守よりも幸せであったように、あなたはどんなお金持ちよりも幸せになります。あなたは健康的な他の人よりも幸せになります。あなたは環境や出来事に左右されずに、完全な幸せを手にいれることができるのです。
それは精神科医でもあったヴィクトール・フランクルが、身をもって表明した人生の真実であり、世界中の人々を勇気づけています。
彼は言います。「思いつく限りで最も悲惨な状況。できるのは、ただこの耐えがたい苦痛に耐えることしかない状況であったとしても、一つだけ奪えないものがある。それは、与えられた環境でいかに振る舞うかという、人間としての最後の自由だ」と。
たとえ自分の体が一切動かなくても、人生でどんな苦難に直面したとしても、私たちは人生に対する自分の態度を選ぶことはできます。
77歳になる、ポール・アレクサンダーというアメリカ人がいます。この方は6歳の頃にポリオに感染し、全身の筋肉の制御ができなくなり、最終的に自力呼吸ができなくなってしまいます。そのために「鉄の肺」と呼ばれる人工呼吸器、重さ300キロにもなる金属製の筒型カプセルの中に入り、首だけを出して生きることになります。
77年の今日までの人生の中で、65年間もこの鉄の肺の中で首だけを出して生きています。彼はインタビューの中で、このような人生になったことをどう思うかと尋ねられ、こう答えました。「私は公平か不公平かなど考えたことはありません。ただ親神様が選んでくれたのかと思っただけです」と。そして「この生活は何ら、私の幸せを邪魔するものではない」と言います。
呼吸でさえ自由を奪われていながら、それでも人生に対する態度はなお、自分で選べるのです。出来事や環境があなたを不幸にしているのだと思っていたら、それは勘違いです。
あなたの幸せ・不幸を決めるのは、環境や出来事ではなく、あなたの人生に対する態度です。そして、その態度はあなたが自分で選ぶことができます。
でも、そんなこと言われても、どうやって態度、つまり反応を変えれば良いかわからないですよね。それどころか、反応を変えられることにすら疑問を持っている人もいると思います。
怒りを感じたり、不安を感じたり、恐怖を感じたり、そういう反応は自然発生的に起こっているような気がします。果たして、それを変えることができるのでしょうか。答えはもちろん、イエスです。
ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』の原題は『Man’s Search for Meaning』と言います。直訳すれば「人間の意味の探求」です。彼は、想像を超える苦難の中、目の前の出来事の全てに意味を見出しました。
刺激に対する反応を変える方法、それは「意味を見つけること」です。ヴィクトール・フランクルは、強制収容所の中で生き残れる人間と、そうではない人間の違いを考えました。そして行き着いた答えは、苦難に対して「意味を見いだせるかどうか」でした。
生き延びるには、若いか年寄りか、年齢は関係ありませんでした。愛する人がいるかどうかも関係ありませんでした。もともとの健康状態も関係ありませんでした。学歴も関係ありませんでした。ただ、目の前のこの苦痛に対して、意味を見いだせるかどうか。意味など何にもないように思えるこの絶望の状況に、自分で意味を見いだせるかどうか。
自分が生きる意味を持っていたかどうか。それが生死を分けた大きな要因でした。十分に大きな意味を持っている人は、どのような環境、出来事にも耐えることができる。それが結論でした。
あなたはこれから、あなたの身の回りにおける全ての出来事に、意味を見つけていってください。あなたがそれを体験しなければならない、十分な意味を見つけてください。
怒りたくなった時も、不安になった時も、孤独を感じた時も、恐怖を感じた時も、全ての精神的・物質的な出来事に対して、意味を見つけてください。
「刺激と反応の間のスペース」は、次回のガイダンスでも引き続き取り組んでいきます。ここで全てを理解できなくても構いませんので、ただ一つ、次のガイダンスまでに、自分が体験することの意味を、できる限りたくさん見つける練習をしておいてください。
さあ、それでは呼吸に意識を戻しましょう。本当はこういう話を聞きながらも、呼吸には気づき続けていてほしいと思います。
目を閉じたまま、意識を自分が座っていた周りの空間に向けます。最初に座った時とは逆の動きで、瞑想を終えていきます。
周りの音や、肌の感覚に意識を向け、五感に意識を戻したら、大きな深呼吸を3回しましょう。
深呼吸が終わったら、手の指先から動かし、腕、また首と動かしてゆっくりほぐしていきましょう。
最後に目を開けて瞑想を終えていきます。お疲れ様でした。
※書き起こしのため、誤字脱字はご了承ください
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